清浄なフルオロポリマーを製造するプロセス
专利摘要:
式:F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X(式中、m=0〜3であり、n=1〜3であり、o=0〜1であり、p=1〜3であり、t=1〜10であり、t=2である場合o≠0であり、更に、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表される1種以上のフッ素化乳化剤を含有することを特徴とするフルオロエラストマーを提供する。フルオロエラストマーの乳化重合においてこのようなフッ素化乳化剤を用いることによりフルオロエラストマーを調製する方法、及びこのようなフルオロエラストマーを含有する物品もまた提供する。架橋性フルオロエラストマー及びこのようなフッ素化乳化剤の水性組成物を含むフルオロエラストマー分散液もまた提供する。このようなフッ素化乳化剤を用いて作製されるフルオロエラストマーは、本質的に、NH4+及びH+以外のカチオンを含まず、低いガラス転移温度を有する。 公开号:JP2011505431A 申请号:JP2010529087 申请日:2008-10-10 公开日:2011-02-24 发明作者:カスパー,ハラルト;シィ. ジプリス,ティルマン;シュトライター,アンドレ;ヒンツァー,クラウス;ユルゲンス,ミヒャエル;ロッカアス,カイ,エィチ. 申请人:スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー; IPC主号:C08L27-12
专利说明:
[0001] (発明の分野) 本発明は、フッ素化乳化剤、具体的にはフルオロポリマーを生成するためのフッ素化モノマーの水性乳化重合に用いるのに好適なフッ素化乳化剤に関する。] [0002] (関連出願の相互参照) 本出願は、2007年10月12日に出願された、米国特許仮出願第60/979,688号の利益を請求し、その開示の全文を本明細書に参考として組み込む。] 背景技術 [0003] フルオロポリマー、すなわち、フッ素化された主鎖を有するポリマーは長い間既知であり、耐熱性、耐化学性、耐候性、UV安定性等のようないくつかの望ましい特性のために、種々の用途で用いられてきた。種々のフルオロポリマーは、例えば「現代のフルオロポリマー(Modern Fluoropolymers)」、ジョン・シャイルズ(John Scheirs)編、ワイリーサイエンス(Wiley Science)、1997年に記載されている。一般的に既知である又は商業的に使用されているフルオロポリマーとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン(TFE)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(FEPポリマー)、ペルフルオロアルコキシコポリマー(PFA)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)コポリマー、テトラフルオロエチレンのターポリマー、及びポリフッ化ビニリデンポリマー(PVDF)が挙げられる。商業的に使用されているフルオロポリマーとしてはまた、フルオロエラストマー及び熱可塑性フルオロポリマーも挙げられる。] [0004] フルオロポリマーを生成するためのいくつかの方法が知られている。このような方法としては、懸濁重合、水性乳化重合、溶液重合、超臨界CO2を用いる重合、及び気相中における重合が挙げられる。] [0005] 現在、最も一般的に使用されている重合方法としては、懸濁重合及び水性乳化重合が挙げられる。水性乳化重合は、通常、フッ素化乳化剤の存在下で重合することを伴い、その乳化剤は一般的に形成されるポリマー粒子の安定化のために用いられる。懸濁重合は、一般的に、水性乳化重合を用いるとき、界面活性剤の使用を伴わないが、実質的により大きなポリマー粒子が得られる。したがって、懸濁重合を用いて作製されるポリマー粒子は急速に沈降し、一方乳化重合で得られる分散液を用いて作製されるポリマー粒子は、一般的に長期間良好な安定性を与える。] [0006] 界面活性剤を使用しない水性乳化重合、又は乳化剤を用いない重合は、一般的に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)のホモ−及びコポリマーを生成することが知られている。このような乳化剤を用いない水性重合では、重合を開始するために還元剤及び酸化剤のラジカル開始剤系が用いられ、この開始剤系は重合中1回以上添加される。これらの種類の乳化剤を用いない重合もまた知られている。] [0007] 乳化剤を用いない重合が知られているにもかかわらず、フッ素化乳化剤の存在下における水性乳化重合を用いるプロセスは、高収量で安定なフルオロポリマー粒子分散液が得られるため、依然としてフルオロポリマーを生成するための望ましいプロセスである。しばしば、乳化重合プロセスは、乳化剤としてペルフルオロアルカン酸又はその塩を用いて実行される。これらの乳化剤が典型的に用いられ、なぜなら、例えば重合速度が速い、フッ素化オレフィンとコモノマーとの共重合特性が良好であり、得られる分散液の粒径が小さく、望ましい安定性、及び重合収率が良好であって、すなわち、多量の固体を生成し得るという広範な望ましい特性をもたらすためである。しかしながら、これらの種類の乳化剤の使用に関する環境問題が提起されている。具体的には、本明細書ではペルフルオロ化乳化剤の好ましい部類である、8個以上の炭素原子及びその塩を有するペルフルオロ化アルカン酸は、現在、生物濃縮性であることが知られている。その上、これらの乳化剤は一般的に高価である。] [0008] フッ素化モノマーの乳化重合を実施するために、ペルフルオロアルカン酸又はその塩に対する代替乳化剤が提案されている。例えば、一般式Rf−C2H4−SO3M(式中、Rfはペルフルオロ化脂肪族基を表し、Mはカチオンを表す)の乳化剤が開示されている。一般式Rf−(CH2)m−R’f−COOM(式中、Rfはペルフルオロアルキル基又は3〜8個の炭素原子のペルフルオロアルコキシ基を表し、R’fは1〜4個の炭素原子のペルフルオロアルキレン基を表し、mは1〜3である)の他の代表的な部分的にフッ素化された乳化剤が開示されている。フッ素化モノマーの水性乳化重合におけるペルフルオロアルコキシベンゼンスルホン酸及びその塩が開示されている。一般式:F−(CF2)m−O−[CFX−CF2−O]n−CFX−COOA(式中、mは1〜5であり、XはF又はCF3であり、Aは一価カチオンであり、nは0〜10である)の官能性ペルフルオロポリエーテルが知られている。特に、ペルフルオロポリエーテル酸は、エチレン性不飽和モノマーの乳化重合において乳化剤として教示されている。他の既知のフッ素化ポリエーテルとしては、式: F−(CF2)m−O−[CFX−CF2−O]n−CFX−COOA(式中、mは3〜10であり、XはF又はペルフルオロアルキル基であり、nは0、1又は2であり、Aはカルボン酸アニオンの対イオンである)を有するものが挙げられる。これらの官能性ポリエーテルは、フッ素化オレフィンの乳化重合において乳化剤として教示されている。式:C2F5O(CF2CF2O)mCF2COOA(式中、Aは水素原子、アルカリ金属、又はNH4+であり、mは1〜3の整数である)のフッ素化乳化剤が、代替乳化剤として知られている。] [0009] 共乳化剤、又は水性乳化重合におけるペルフルオロポリエーテル酸のような、他の乳化剤の存在を必要とする乳化剤としてのペルフルオロポリエーテルの使用が知られている。例えば、フッ素化モノマーの水性乳化重合における中性末端基を有するペルフルオロポリエーテルから調製されるマイクロエマルションの使用が開示されている。両方の末端基においてカルボン酸基又はその塩を有する特定のペルフルオロポリエーテルが二官能性であることが知られている。フルオロポリマーの水性分散液、及び水性乳化重合によるような分散液の調製において使用するための、官能性及び/又は非官能性ペルフルオロポリエーテルが教示されている。カルボン酸基又はその塩を有するペルフルオロポリエーテル界面活性剤と、フルオロアルキルカルボン酸若しくはスルホン酸又はその塩との組み合わせの使用もまた知られている。そのままでのペルフルオロポリエーテル界面活性剤はそれ程強力な界面活性剤ではないことが教示されている。乳化重合用のフッ素化エーテル界面活性剤及び乳化重合用のVDF由来のオリゴマーもまた知られている。] [0010] 代替乳化剤が進歩しているが、既知の代替乳化剤由来のフルオロエラストマーは、いくつかの用途に対しては多すぎる金属含量を有する。具体的にいうと、フルオロエラストマーは、フルオロエラストマーをマイクロチップ製作設備の座部で用いることができるマイクロチップの製造における半導体産業で用いることができる。マイクロチップの製造中、フルオロエラストマーは高温及び攻撃的化学物質に曝露される場合がある。攻撃的化学物質及び/又は熱に対する耐性に加えて、フルオロエラストマーはガラス転移温度が低いことも望ましく、これにより、フルオロエラストマーは、例えば、自動車又は航空機業界における用途で、必要に応じて低温で使用するのに好適になる。フルオロエラストマー、特にペルフルオロエラストマーが既に半導体業界で用いられているが、この特殊な用途に対してより好適にするために、これらのフルオロエラストマーの重合を改変してペルフルオロアルカン酸又はその塩を使用しなくすることが依然として必要である。具体的には、低金属含量を有するフルオロエラストマーが得られるように重合を改変することが必要である。具体的には、マイクロチップ製造における使用に対する好適性を限定する、多量の金属カチオンを有するフルオロエラストマー組成物が作製されない代替乳化剤に対する必要性が存在する。望ましくは、代替乳化剤は生分解性であり、人体において低保持時間を有する。] 発明が解決しようとする課題 [0011] 本開示は、得られるエラストマーの、改善された品質、例えばより低い金属含量及び良好な圧縮永久ひずみをもたらす代替フッ素化乳化剤、具体的には低ガラス転移温度を有するものに関する。得られるエラストマーにおける金属含量が低いことは、得られるエラストマーが密封材として用いられる半導体用途で重要である。本開示の別の態様では、得られるエラストマーにおける代替フッ素化乳化剤濃度が比較的低く、よってこれらのエラストマー由来の物品で化学物質の硬化に対して有益な効果が得られる。] 課題を解決するための手段 [0012] 以下の一般式(I)による乳化剤は、ラットのスクリーニング研究により示されるように、8個以上の炭素原子を有するペルフルオロアルカン酸よりも、生体からより速やかに排出されることが見出されている。更に、これらの乳化剤が、フッ素化モノマーの乳化重合において用いられて、フルオロポリマー分散液を生成することができ、簡単かつ便利な方法で回収し得ることが見出されている。生物濃縮性が低いため、以下の一般式(I)による乳化剤は、これらの化合物の喪失が少ない場合、環境への負担が少ないに違いない。また、分散液中のこれらの乳化剤の量を減少させるプロセスは、例えば偶発的に、作業処置中に用いられ、続いて分散液から回収さるこれらの乳化剤に曝露されるようなプロセスの操作者にとってより有益であるに違いない。] [0013] 以下の一般式(I)による乳化剤を使用して、低金属含量、具体的にはペルフルオロアルカン酸界面活性剤を用いるよりも低金属含量を有するフルオロエラストマー、具体的には低ガラス転移温度を有するフルオロエラストマーを調製できることが見出されている。] [0014] 簡潔に言うと、1つの態様では、本開示は、架橋性のフッ素化エラストマーと、式: F−(CF2)t−[O(CY1Y2)]m−O−(CY3Y4)−X (I) (式中、CY1Y2は1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化又は部分的にフッ素化された直鎖アルキレンを表し、CY3Y4は、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化、部分的にフッ素化された、又はフッ素化されていない直鎖アルキレンを表し、tは1〜10であり、mは0〜3であり、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤との水性混合物を含むフルオロエラストマー分散液を提供する。] [0015] 別の実施形態では、本開示は、架橋性のフルオロエラストマーと、式: F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X (Ia) (式中、mは0〜3であり、nは1〜5であり、oは0〜1であり、pは1〜3であり、tは1〜10であり、tが2である場合o≠0であり、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤との水性混合物を含むフルオロエラストマー分散液を提供する。] [0016] 別の態様では、本開示は、上記に定義したような式(I)又は(Ia)により表されるフッ素乳化剤を含む乳化重合由来のフルオロエラストマーを提供する。X、m、n、o、p及びtは上記定義の通りである。ここに開示されるフルオロエラストマーは、本質的に、硬化化学物質及び他の成分の添加前に、カチオン(NH4+及びH+以外)を含まない。] [0017] 更に別の態様では、本開示は、(a)水性乳化重合プロセスにおいてフルオロモノマーと硬化部位モノマーを重合させて、水性分散液を形成することと、(b)分散液と金属塩を凝固させて、凝固したフルオロポリマーを形成することと、(c)凝固したフルオロポリマーを乾燥させることと、を含むプロセスにより得られるフルオロエラストマーを提供する。重合プロセスは、式(I)又は(Ia)に関して上記に定義したようなフッ素乳化剤(X、m、n、o、p及びtは上記定義の通りである)を用いて実行される。ここに開示されるフルオロエラストマーは、本質的に、硬化化学物質及び他の成分の添加前に、カチオン(NH4+及びH+以外)を含まない。] [0018] 更に別の態様では、本開示は、上記に定義したような式(I)又は(Ia)により表されるフッ素乳化剤を含む乳化重合由来のフルオロエラストマーから調製される物品を提供する。X、m、n、o、p及びtは上記定義の通りである。ここに開示されるフルオロエラストマーは、本質的に、硬化化学物質及び他の成分の添加前に、カチオン(NH4+及びH+以外)を含まない。] [0019] いくつかの実施形態では、フルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、CF2=C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルビニルエーテル)、並びにクロロトリフルオロエチレンから選択される少なくとも1種のコポリマー由来のポリマー、プロピレン及びエチレン、CF2=C−CF2−C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルアリルエーテル)、並びにクロロトリフルオロエチレンから選択される少なくとも1種のコポリマー由来のポリマー、プロピレン及びエチレン、及び所望により硬化部位モノマー、並びにこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のフルオロモノマー由来のポリマーを含む。] [0020] いくつかの実施形態では、フルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン/プロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンコポリマー、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルアリル)エーテルコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルコキシアルキルアリル)エーテルコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルキルビニル)エーテルコポリマー、テトラフルオロエチレン/ペルフルオロ(アルコキシアルキルビニル)エーテルコポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=C(OC2F5)2コポリマー、フッ化ビニリデン/CF2=CFOC3F7コポリマー、エチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、及びそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するコポリマー、並びにこれらの組み合わせから選択される少なくとも1種のコポリマー由来の繰り返し単位を含むコポリマーである。] [0021] いくつかの実施形態では、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン由来の繰り返し単位を含有し、−20℃満のガラス転移温度(Tg)を有する。いくつかの実施形態では、フルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン由来の繰り返し単位を含有し、−10℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。] [0022] 本開示の上記要約は、本発明のそれぞれの実施形態を説明することを意図していない。本発明の1つ以上の実施形態の詳細はまた、以下の説明で明らかになる。本発明の他の特長、目的、及び利点は、説明及び特許請求の範囲から明らかとなるであろう。] [0023] ここに開示するフッ素化エラストマー分散液は、式: F−(CF2)t−[O(CY1Y2)]m−O−(CY3Y4)−X (I) (式中、CY1Y2は1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化又は部分的にフッ素化された直鎖アルキレンを表し、CY3Y4は、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化、部分的にフッ素化された、又はフッ素化されていない直鎖アルキレンを表し、tは1〜10であり、mは0〜3であり、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤を含有する水性媒体中におけるフルオロモノマーの乳化重合により生成できる。] [0024] いくつかの実施形態では、フッ素化乳化剤は、一般に F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X (Ia)に対応する。] [0025] ここに開示するフッ素化エラストマー分散液はまた、式(I)又は(Ia)により表されるフッ素化乳化剤を、式(I)又は(Ia)により表されるフッ素化乳化剤以外の乳化剤を含有する水性媒体中のフルオロモノマーに添加することにより生成できる。] [0026] ここに開示するフルオロエラストマーは、式(I)又は(Ia)により表されるフッ素化乳化剤を含むエマルション由来である。フルオロエラストマーという用語は、本明細書では、好ましくは硬化剤の存在下で、熱処理プロセスにより、硬化(架橋)され得るフルオロポリマーとして定義される。] [0027] 硬化性フルオロエラストマー組成物は、本明細書で使用するとき、フルオロエラストマーと、熱処理プロセスにより硬化又は加硫され得る1種以上の硬化剤とを含む材料/混合物を定義する。硬化性組成物は更に、材料/混合物が熱処理プロセスにより硬化又は加硫され得るように、PFA、FEP及びPTFE等のフルオロポリマーのような、無機及びポリマー充填剤が挙げられる、充填剤を含んでもよい。ここで開示するフルオロエラストマーは、本質的には抽出可能なイオンを含まない。「本質的に含まない」という語句は、本明細書で使用するとき、500ppm未満、好ましくは200ppm未満、より好ましくは150ppmのカチオン(NH4+及びH+以外)がフルオロポリマー中にみられることを意味する(硬化化学物質及び他の成分の添加前)。ここに開示するフルオロエラストマー又は硬化性フルオロエラストマー組成物由来の物品は、低金属含量を有する(すなわち、硬化化学物質及び他の成分の添加前、又は本質的に金属を含まない硬化化学物質及び他の成分を使用した後、本質的にカチオン(NH4+及びH+以外)を含まない)。物品は、良好な圧縮永久ひずみを呈する。] [0028] 乳化重合に付されるフルオロモノマーは、TFE、VDF、HFP、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)及びエテン(ET)、CF2=C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であってもよく分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造(PAVE)を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルビニルエーテル)、CF2=C−CF2−(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルアリルエーテル)、及びこれらの組み合わせから選択されるフルオロモノマーであってよい。フルオロモノマーとともに、1種以上の共重合可能な炭化水素モノマーが、CH2=CHOR(式中、RはC1〜C8アルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するアルコキシアルキル基であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であってもよく分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるビニルエーテルから選択され、プロペン(P)及びETは共重合してもよい。] [0029] いくつかの実施形態では、別のモノマーが共重合してもよい。このような共重合可能なモノマーは、例えば、炭素−炭素二重結合基、ハロゲン原子、酸無水物残基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、又はヒドロキシル基が挙げられる、硬化部位モノマーの0.001〜10モル%(ポリマーのモノマーの総量に基づいて)であってよい。代表的な硬化部位モノマーとしては、1−ブロモ−1,1,2,2−テトラフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル(以後BrVEと称する)、1−ヨード−1,1,2,2−テトラフルオロエチルトリフルオロビニルエーテル、CH2=CHI、CF2=CHI、CF2=CFI、CH2=CHCH2I、CF2=CFCF2I、CH2=CHCF2CF2I、CF2=CFCH2CH2I、CF2=CFCF2CF2I、CH2=CH(CF2)6CH2CH2I、CF2=CFOCF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CF2I、CF2=CFOCF2CF2CH2I、CF2=CFCF2OCH2CH2I、CF2=CFO(CF2)3−OCF2CF2I、CH2=CHBr、CF2=CHBr、CF2=CFBr(BTFE)、CH2=CHCH2Br、CF2=CFCF2Br、CH2=CHCF2CF2Br(BTFB)、CF2=CFOCF2CF2Br、クロトン酸ビニル、メタクリル酸ビニル、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸、イタコン酸が挙げられる。いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーは、式:a)CX2=CX(Z)(式中、(i)Xはそれぞれ独立してH又はFであり、(ii)ZはI、Br、Rf−U(式中、U=I又はBrであり、Rf=所望によりO原子を含有するペルフルオロ化又は部分的にペルフルオロ化アルキレン基)のうちの1種以上の化合物から誘導される。更に、非フッ素化ブロモ−又はヨードオレフィン、例えば、ヨウ化ビニル及びヨウ化アリルを用いることができる。] [0030] いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーとしては、ヘプタフルオロ−4−ペンテンニトリルのような窒素含有硬化部位モノマー、又は他の窒素含有フルオロオレフィン、及び窒素含有フルオロビニルエーテルが挙げられ、例えば、 CF2=CFO(CF2)LCN CF2=CFO[CF2CF(CF3)O]q(CF2O)yCF(CF3)CN CF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2)tCN CF2=CFO(CF2)uOCF(CF3)CN (式中、上記式に関して、L=2〜12、q=0〜4、r=1〜2、y=0〜6、t=1〜4、及びu=2〜6である)である。代表的なこのようなモノマーの例としては、CF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)CN、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、及びCF2=CFO(CF2)5CN、及びこれらの組み合わせが挙げられる。コポリマー中のこのような硬化部位モノマーの比率は、好ましくは0.001〜5モル%、更には0.01〜3モル%である。] [0031] フルオロモノマー由来の代表的なコポリマーとしては、TFE及びP;TFE、P、及びVDF;VDF、HFP;TFE、VDF、HFP;TFE、PMVE;TFE、CF2=CFOC3F7;TFE、CF2=CFOCF3、CF2=CFOC3F7;TFE、CF2=C(OC2F5)2;TFE、メチルビニルエーテル(MVE);TFE、エチルビニルエーテル(EVE);TFE、ペルフルオロアルキルビニルエーテル;TFE、ペルフルオロアルコキシアルキルビニルエーテル;TFE、ペルフルオロアルキルアリルエーテル;TFE、ペルフルオロアルコキシアルキルエーテル;TFE、ブチルビニルエーテル(BVE);TFE、EVE、BVE;VDF、CF2=CFOC3F7;ET、HFP;及び更にそれに共重合する硬化部位モノマーを有するようなコポリマーが挙げられる。] [0032] 好適なペルフルオロエーテルとしては、式: CF2=CFO−(CF2)m−(O(CF2)p)n−ORf(式2)(式中、Rfはペルフルオロ化(C1〜C4)アルキル基であり、m=1〜4であり、n=0〜6であり、p=1〜2である)、又はCF2=CF(CF2)m−O−Rf(式3)(式中、m=1〜4であり、Rfは所望によりO原子を含有するペルフルオロ化脂肪族基、又はCF2=CFO(CF2)pORf(式2a)(式中、Pは2、3、4、5又は6であり、Rfはペルフルオロ化(C1〜C6)アルキル又はアルコキシアルキル基、又はCF2=CF(OCF2CF2)rORf(式中、rは1、2、3又は4であり、Rfはペルフルオロ化(C1〜C6)アルキル若しくはアルコキシアルキル基である)が挙げられる。これらのペルフルオロエーテルは、他のコモノマーとの共重合前に乳化剤で予め乳化されていてもよい。] [0033] 代表的なペルフルオロアルコキシビニルエーテルとしては、CF2=CFOCF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2CF2CF2OCF2CF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF2CF2CF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2(OCF2)3OCF3、CF2=CFOCF2CF2(OCF2)4OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2OCF2OCF3、CF2=CFOCF2CF2OCF2CF2CF3及びCF2=CFOCF2CF2OCF2CF2OCF2CF2CF3が挙げられる。ペルフルオロアルキルビニルエーテル及びペルフルオロアルコキシビニルエーテルの混合物を使用してもよい。本開示で有用なペルフルオロオレフィンとしては、式:CF2=CF−Rf(式中、Rfはフッ素又は1〜8個、好ましくは1〜3個の炭素原子のペルフルオロアルキルである)のものが挙げられる。] [0034] 代表的なペルフルオロアルコキシアリルエステルとしては、CF2=CFCF2OCF2CF2OCF3、CF2=CFCF2OCF2CF2CF2OCF3及びCF2=CFCF2OCF2OCF3が挙げられる。] [0035] コポリマー中のそれぞれのモノマーの重合化単位のモル比は、特に限定されず、必要な特徴に応じて好適に選択してよい。TFE/Pコポリマー中の(TFEの重合化単位)/(Pの重合化単位)の代表的なモル比としては、40/60〜70/30、及び更には50/50〜60/40が挙げられる。TFE/PAVEコポリマー中では、PAVEのペルフルオロアルキル基は1〜9個の炭素原子を有し、それは直鎖であってもよく分枝鎖を含有してもよく、環状構造又はこれらの混合物を有してもよい。ペルフルオロアルキル基は、より好ましくは、CF3基又はC3F7基である。更に、1つ以上のエーテル結合を有する、例えばPAVE中のような、ペルフルオロ(アルコキシアルキル)基は、1〜9個の炭素原子を有し、それは好ましくは4個以下、より好ましくは2個以下のエーテル結合を有し、直鎖であってもよく分枝鎖を含有してもよく、若しくは環状構造、又はこれらの混合物を有してよい。このようなペルフルオロ(アルコキシアルキル)基は、より好ましくはC2F5OC2F4基、C3F7OC3F6基、C3F7OC3F6OC3F6基、又はCF3−O−(CF2)3基である。] [0036] 種々のフルオロエラストマーの代表的なモル比としては、TFE(40〜60モル%)/P(60〜40モル%)コポリマー、TFE(20〜79モル%)/P(79〜20モル%)/VDF(1〜50モル%)コポリマー、TFE(20〜80モル%)/HFP(80〜20モル%)コポリマー、VDF(50〜95モル%)/HFP(5〜50モル%)コポリマー、TFE(1〜35モル%)/VDF(45〜90モル%)/HFP(5〜50モル%)コポリマー、TFE(40〜70モル%)/CF2=CFOCF3(60〜30モル%)コポリマー、TFE(40〜70モル%)/CF2=CFOC3F7(60〜30モル%)コポリマー、TFE(40〜70モル%)/CF2=C(OC2F5)2(60〜30モル%)コポリマー、TFE(70〜30モル%)/MVE(30〜70モル%)コポリマー、TFE(70〜30モル%)/EVE(30〜70モル%)コポリマー、TFE(70〜30モル%)/PMVE(30〜70モル%)コポリマー、TFE(60〜30モル%)/EVE(1〜69モル%)/BVE(1〜69モル%)コポリマー、VDF(40〜70モル%)/CF2=CFOC3F7(60〜30モル%)コポリマー、ET(40〜60モル%)/HFP(60〜40モル%)コポリマー、及び0.001〜10モル%の量でそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するコポリマーが挙げられる。明確には、TFE(40〜60モル%)/P(60〜40モル%)コポリマーは、40〜60モル%:60〜40モル%の比でTFEとPを共重合させることにより得られるコポリマーを意味し、同じことが他のコポリマーにも当てはまる。更に、0.001〜10モル%の量でそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するTFE(40〜60モル%)/P(60〜40モル%)コポリマーは、コポリマー中の2種の成分TFEとPの比が40〜60モル%:60〜40モル%であり、コポリマー中の硬化部位モノマーの比率が3種のモノマー成分の総量に基づいて0.001〜10モル%であることを意味する。同じことが他のコポリマーにも当てはまる。] [0037] いくつかの実施形態では、上記のフルオロエラストマーは、1分あたり10℃の加熱速度、転移の変曲点を用いる加熱モードで示差走査熱量計により測定するとき、−10℃未満、又は更には−20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有する。例えば、フルオロエラストマーは、フッ化ビニリデン由来の繰り返し単位を含んでよく、1分あたり10℃の加熱速度、転移の変曲点を用いる加熱モードで示差走査熱量計により測定するとき、−20℃未満のガラス転移温度(Tg)を有してよく、又はフルオロエラストマーは、テトラフルオロエチレン由来の繰り返し単位を含んでよく、1分あたり10℃の加熱速度、転移の変曲点を用いる加熱モードで示差走査熱量計により測定するとき、−10℃未満のガラス転移温度(Tg)を有してよい。米国特許第5,268,405号は、組成物のガラス転移温度を低下させるために、ペルフルオロポリエーテルとブレンドされたフルオロエラストマーを開示している。] [0038] ここに開示されているフルオロエラストマーは、式: F−(CF2)t−[O(CY1Y2)]m−O−(CY3Y4)−X (I) (式中、CY1Y2は1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化又は部分的にフッ素化された直鎖アルキレンを表し、CY3Y4は、1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化、部分的にフッ素化された、又はフッ素化されていない直鎖アルキレンを表し、tは1〜10であり、mは0〜3であり、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表される1種以上のフッ素化乳化剤を含有することを特徴とする。] [0039] CY1Y2の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない: (CF2)n(nは1、2、3又は4である)、CHF、CHF−−CF2、CF2−−CHF、CF2−−CHF−−CF2、CHF−−CHF、CHF−−CHF−−CHF−−CHF、CHF−−CHF−−CHF−−CF2、CHF−−CHF−−CF2−−CHF、CHF−−CHF−−CF2−−CF2、CF2−−CF2−−CHF。] [0040] CY3Y4の例としては、以下のものが挙げられるが、これらに限定されない: CH2、CH2CH2、CF2、CF2CF2、CHF、CF2CHF、CF2CHFCF2。] [0041] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2である。] [0042] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は少なくとも1個のCHF基を含む。] [0043] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は少なくとも1個のCF2基を含む。] [0044] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は1〜4個、好ましくは2〜3個の炭素原子を含有するペルフルオロ化アルキレンである。] [0045] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は少なくとも1個のCHF基を含み、CY3Y4は以下のうちの1つである:CH2、CH2CH2、CF2、CF2CF2、CHF、CF2CHF、CF2CHFCF2。] [0046] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は少なくとも1個のCF2基を含み、CY3Y4は以下のうちの1つである:CH2、CH2CH2、CF2、CF2CF2、CHF、CF2CHF、CF2CHFCF2。] [0047] いくつかの実施形態では、tは1〜3であり、mは0〜2であり、CY1Y2は1〜4個、好ましくは2〜3個の炭素原子を含有するペルフルオロ化アルキレンであり、CY3Y4は以下のうちの1つである:CH2、CH2CH2、CF2、CF2CF2、CHF、CF2CHF、CF2CHFCF2。] [0048] いくつかの実施形態では、ここに開示するフルオロエラストマーは、式: F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X (I) (式中、m=0〜3であり、n=1〜5であり、o=0〜1であり、t=1〜10であり、t=2であるときo≠0であり、 またXはカルボキシル酸基、カルボン酸基の塩、又はこれらの組み合わせである)により表される1種以上のフッ素化乳化剤を含有することを特徴とする。] [0049] 以下のものをフッ素化乳化剤の例として言及してよい。 F−CF2−O−(CF2)2−X F−CF2−O−(CF2)3−X F−(CF2)t−O−CF2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−O−CHF−CF2−X(式中、t=1〜10である) F−(CF2)t−O−(CF2)2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−O−CHF−(CF2)2−X(式中、t=1〜10である) F−(CF2)t−O−(CF2)3−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−O−CHF−(CF2)3−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−OCF2−O−CF2−X F−(CF2)t−OCF2−O−CF2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−OCF2−O−CHF−CF2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−OCF2−O−(CF2)2−X F−(CF2)t−OCF2−O−(CF2)2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−OCF2−O−CHF−(CF2)2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−OCF2−O−(CF2)3−X F−(CF2)t−OCF2−O−(CF2)3−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−OCF2−O−CHF−(CF2)3−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]2−O−CF2−X F−(CF2)t−[OCF2]2−O−CF2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]2−O−CHF−CF2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]2−O−(CF2)2−X F−(CF2)t−[OCF2]2−O−(CF2)2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]2−O−CHF−(CF2)2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]2−O−(CF2)3−X F−(CF2)t−[OCF2]2−O−(CF2)3−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]2−O−CHF−(CF2)3−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]3−O−CF2−X F−(CF2)t−[OCF2]3−O−CF2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]3−O−CHF−CF2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]3−O−(CF2)2−X F−(CF2)t−[OCF2]3−O−(CF2)2−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]3−O−CHF−(CF2)2−X(式中、t=1〜10である) F−CF2−[OCF2]3−O−(CF2)3−X F−(CF2)t−[OCF2]3−O−(CF2)3−X(式中、t=3〜10である) F−(CF2)t−[OCF2]3−O−CHF−(CF2)3−X(式中、t=1〜10である)] [0050] いくつかの実施形態では、フッ素化乳化剤としては、以下の化合物が挙げられる: F(CF2)−O−(CF2)3−O−CF2−X F(CF2)−O−(CF2)3−O−CHF−CF2−X。] [0051] 他の代表的なフッ素化乳化剤としては、以下の式を有するものが挙げられる: [Rf−O−L−COO−]iXi+ (IV) (式中、Lは、直鎖の部分的に又は完全にフッ素化されたアルキレン基又は脂肪族炭化水素基を表し、Rfは直鎖の部分的に若しくは完全にフッ素化された脂肪族基、又は1個以上の酸素原子に中断される直鎖の部分的に若しくは完全にフッ素化された脂肪族基を表し、Xi+は価数iを有するカチオンを表し、iは1、2又は3である)。式(IV)による化合物の具体例としては、以下のものが挙げられる: Rf−−O−−CHF−COOH C3F7−−O−−CHF−COOH CF3−−O−−CF2CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH CF3CF2CF2−−O−−CF2CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH CF3−−O−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH CF3−−(O−−CF2)2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH CF3−−(O−−CF2)3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−COOH Rf−−O−−CHF−−CF2−−COOH CF3−−O−−CHF−−CF2−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−COOH CF3−−CF2−−O−−CHF−−CF2−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−COOH CF3−−O−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−COOH CF3−−(O−−CF2)2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−COOH CF3−−(O−−CF2)3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−C−OOH Rf−−O−−CF2−CHF−−COOH CF3−−O−−CF2−−CHF−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CHF−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−COOH CF3−−O−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−COOH CF3−−(O−−CF2)2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−CHF−−COOH CF3−−(O−−CF2)3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−C−OOH Rf−−O−−CF2−−CHF−−CF2COOH CF3−−O−−CF2−−CHF−−CF2−−COOH C2F5−−O−−CF2−−CHF−−CF2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CHF−−CF2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−CF2−−CO−OH CF3−−O−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−CF2−COOH CF3−−(O−−CF2)2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−C−F2−−COOH CF3−−(O−−CF2)3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CHF−−C−F2−−COOH Rf−−(O)m−−CHF−−CF2−−O−−(CH2)n−−COOH(n=1、2又は3;m=0又は1) CF3−−O−−CHF−−CF2−−O−−CH2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−O−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CHF−−CF2−−O−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CHF−−CF2−−O−−CH2−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−OCH2COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CHF−−CF2−−OCH2COOH C3F7−−O−−CF2−−CHF−−CF2−−OCH2COOH CF3−−CHF−−CF2−−O−−CH2COOH C3F7−−CF2−−CHF−−CF2−−OCH2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−O−−CH2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−O−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−O−−CH2−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−OCH2COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−CF2−−O−CH2COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−OCH2COOH C4F9−−O−−CH2−−COOH C4F9−−O−−CH2−−CH2−−COOH C3F7−−O−−CH2COOH C6F13−−OCH2−−COOH Rf−−O−−CF2−−CF2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−COOH C2F5−−O−−CF2−−CF2−COOH C3F7−−O−−CF2−−CF2−COOH C4F9−−O−−CF2−−CF2−−COOH Rf−−(O−−CF2)n−−O−−CF2−−COOH(uは上記定義の通りである) CF3−−(O−−CF2)3−−O−−CF2−−COOH CF3−−(O−−CF2)2−−O−−CF2−−COOH CF3−−(O−−CF2)n−−O−−CF2−−COOH Rf−−(O−−CF2−−CF2)k−−O−−CF2−−COOH(kは1、2又は3である) CF3−−(O−−CF2−−CF2)k−−O−−CF2−COOH、 C2F5−−(O−−CF2−−CF2)k−−O−−CF2−−COOH C3F7−−(O−−CF2−−CF2)k−−O−−CF2−−COOH C4F9−−(O−−CF2−−CF2)k−−O−−CF2−−COOH C2F5−−(O−−CF2−−CF2)2−−O−−CF2−−COOH CF3−−(O−−CF2−−CF2)2−−O−−CF2−−COOH C3F7−−(O−−CF2−−CF2)2−−O−−CF2−−COOH C4F9−−(O−−CF2−−CF2)2−−O−−CF2−−COOH Rf−−O−−CF2−−COOH C3F7−−O−−CF2−−COOH CF3−−O−−CF2−−CF2−−CF2−−O−−CF2−−COOH CF3−−CHF−−O−−(CF2)o−−COOH(oは1、2、3、4、5又は6の整数である) CF3CFH−−O−−(CF2)3−−COOH CF3CFH−−O−−(CF2)5−−COOH CF3−−CF2−−O−−(CF2)o−−COOH(oは上記の通りである) CF3−−CF2−−O−−(CF2)3COOH CF3−−CF2−−O−−(CF2)5COOH] [0052] 既に開示したフッ素化乳化剤は、単独で及び/又はこれらの組み合わせで用いることができる。] [0053] ここに開示するフルオロエラストマーを生成する方法では、フルオロモノマーは、式(I)により表されるフッ素化乳化剤を含有する水性媒体中で乳化重合される。] [0054] 水性乳化重合により、水中のフルオロポリマーの分散液を有するフルオロエラストマー組成物が得られる。一般的に、重合から直接得られる分散液中のフルオロポリマーの固形分の量は、重合条件に応じて3重量%〜約50重量%で変動する。典型的な範囲は、5〜30重量%、例えば10〜25重量%である。フルオロポリマーの粒径(体積平均直径)は、典型的には、40nm〜400nmであり、典型的な粒径は60nm〜約350nmである。得られる分散液中の式(I)によるフッ素化乳化剤の総量は、典型的には、分散液中のフルオロポリマー固形分の量に基づいて0.001〜5重量%である。典型的な量は、0.01〜2重量%、又は0.02〜1重量%であってよい。] [0055] 水性乳化重合は、10℃〜150℃、好ましくは20℃〜110℃の温度で実行することができ、圧力は、典型的には、200〜3000kPa(2〜30バール)、特に500〜2000kPa(5〜20バール)である。反応温度は、重合中変動して、分子量分布に影響を与える場合がある。] [0056] 重合媒体のpHは、pH2〜11、好ましくは2〜7、最も好ましくは2〜4の範囲であってよい。] [0057] 水性乳化重合は、典型的には、フッ素化モノマーのフリーラジカル重合を開始させることが既知である任意の反応開始剤を含む反応開始剤により始まる。好適な反応開始剤としては、過酸化物及びアゾ化合物及びレドックス系反応開始剤が挙げられる。過酸化物反応開始剤の具体例としては、過酸化水素、過酸化ナトリウム又は過酸化バリウム、過酸化ジアセチルのような過酸化ジアシル、過酸化ジスクシニル、ジプロピオニルペルオキシド、ジブチリルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、ベンゾイルアセチルペルオキシド、ジグルタル酸ペルオキシド、及びジラウリルペルオキシド、並びに更に過酸及び例えばアンモニウム塩、ナトリウム塩又はカリウム塩のようなこれらの塩が挙げられる。過酸の例としては、過酢酸が挙げられる。過酸のエステルも同様に用いることができ、これらの例としてはtert−ブチルペルオキシアセテート及びtert−ブチルペルオキシピバレートが挙げられる。無機の例としては、例えば過硫酸、過マンガン酸又はマンガン酸のアンモニウム−アルカリ−又はアルカリ土類塩が挙げられる。過硫酸塩反応開始剤、例えば過硫酸アンモニウム(APS)はそのままで用いてもよく、又は還元剤と組み合わせて用いてもよい。好適な還元剤としては、例えば重亜硫酸アンモニウム又はメタ重亜硫酸ナトリウムのような重亜硫酸塩、例えばチオ硫酸アンモニウム、チオ硫酸カリウム、又はチオ硫酸ナトリウムのようなチオ硫酸塩、ヒドラジン、アゾジカルボン酸塩及びアゾジカルボキシルジアミド(ADA)が挙げられる。用いてもよい更なる還元剤としては、ホルムアルデヒドスルホキシル酸ナトリウム(ロンガリット(商標))又はスルフィン酸フルオロアルキルが挙げられる。還元剤は、典型的には、過硫酸塩反応開始剤の半減期を減少させる。更に、例えば銅塩、鉄塩又は銀塩のような金属塩触媒を添加してよい。反応開始剤の量は、0.01重量%(生成されるフルオロポリマー固体に基づいて)〜1重量%であってよい。1つの実施形態では、反応開始剤の量は、0.05〜0.5重量%である。別の実施形態では、量は0.05〜0.3重量%であってよい。] [0058] 水性乳化重合系は、更に、緩衝剤のような他の材料、及び必要に応じて錯体形成剤又は連鎖移動剤を含んでよい。用いてもよい連鎖移動剤の例としては、ジメチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、エタン、プロパン、及びn−ペンタンのような1〜5個の炭素原子を有するアルカン、CCl4、CHCl3及びCH2Cl2のようなハロゲン化炭化水素、CH2F−−CF3(R134a)のようなヒドロフルオロカーボン化合物が挙げられる。更に、酢酸エチル、マロン酸エステルのようなエステルが適用可能である。他の代表的な連鎖移動剤としては、式RfZx(式中、Rfは置換又は非置換C1C12フルオロアルキルラジカルであり、これはペルフルオロ化されてよく、ZはBr又はIであり、xは1又は2である)を有するものが挙げられる。臭化物を含む具体例としては、CF2Br2、Br(CF2)2Br、Br(CF2)4Br、CF2(Cl)Br、CF3CF(Br)CF2Br等が挙げられる。] [0059] 水性乳化重合系は、無機添加剤を更に含んでもよい。例えば、塩化金属塩又は塩化アンモニウム塩を重合系に添加して、重合プロセスの開始中、極性末端基を還元するために、末端基を保護又はキャップしてよい。他の代表的な無機添加剤としては、塩を含有するニトリル基又は擬ハロゲンを含有するニトリル基が挙げられ、ここで塩は、シアン酸、チオシアン酸、又はシアン化物のアンモニウム塩、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、及びテトラアルキルアンモニウム塩から選択される。] [0060] 本発明のフッ素化エラストマー組成物は、好ましくは、水性媒体、10〜50質量%の量の水性媒体中に分散しているフルオロエラストマー、及びフルオロポリマーを基準として0.03〜10質量%の量の式(I)により表されるフッ素化乳化剤を含有する。更にそれは、より好ましくは、水性媒体、15〜50質量%の量の水性媒体中に分散しているフルオロエラストマー、及びフルオロポリマーを基準として0.05〜5質量%の量の式(I)により表されるフッ素化乳化剤を含有する。更に、それは、最も好ましくは、水性媒体、15〜50質量%の量の水性媒体中に分散しているフルオロエラストマー、及びフルオロポリマーを基準として0.05〜5質量%の量の式(I)により表されるフッ素化乳化剤を含有する。] [0061] 乳化重合法により生成されるフッ素化エラストマー分散液(ラテックス)に、凝固剤を添加して、フッ素化エラストマーを凝固させてもよい。凝固剤としては、フッ素化エラストマー分散液を凝固させるために一般的に用いられる任意の凝固剤を用いてよく、それは、例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化アルミニウム、若しくは硝酸アルミニウム、若しくは硫酸アルミニウムのような水溶性塩、硝酸、塩酸、若しくは硫酸のような酸、又はアルコール若しくはアセトンのような水溶性有機液体であってよい。添加される凝固剤の量は、好ましくは、フッ素化エラストマー分散液100質量部あたり、0.001〜20質量部、特に好ましくは0.01〜10質量部である。更に、フッ素化エラストマー分散液は、凝固又は高剪断若しくは超音波で凝結させてよい。] [0062] 凝固したフルオロエラストマーは、好ましくは、濾過し、洗浄水で洗浄することにより収集される。洗浄水は、例えば、イオン交換水、純水、又は超純水であってよい。洗浄水の量は、質量でフッ素化エラストマーの1〜5倍であってよく、それによりフッ素化エラストマーに結合した乳化剤の量を1回の洗浄により十分還元できる。洗浄回数は、作業効率の観点からできるだけ少ないことが好ましく、1〜3回がより好ましい。] [0063] 得られるフルオロエラストマーに残る式(I)により表されるここに開示するフッ素化乳化剤の含量は、非常に低い。いくつかの実施形態では、得られるフルオロエラストマーに残る式(I)により表されるここに開示するフッ素化乳化剤の含量は、100ppm未満であり、いくつかの実施形態では50ppm未満であり、特に25ppm未満であり、いくつかの実施形態では更には5ppm未満である。これらの値は、未加工の固体に基づいている。この範囲内で、フッ素化乳化剤は、架橋形成工程における蒸発によりほとんど拡散せず、それにより環境への負の影響が少なくなる。] [0064] ここに開示するフルオロエラストマー分散液の凝固により得られる廃棄物の流れに含まれるフッ素化乳化剤を回収し、任意の既知の回収法により再利用してよい。代表的な回収法としては、強塩基アニオン交換樹脂又は弱塩基アニオン交換樹脂でフッ素化乳化剤を吸収する方法、合成吸着剤でフッ素化乳化剤を吸収する方法、活性炭でフッ素化乳化剤を吸収する方法、層状複水酸化物にフッ素化乳化剤を含ませる方法、又は廃棄液を濃縮する方法が挙げられる。上記方法により回収される、本発明で用いられるフッ素化乳化剤は、既知の方法により再利用してよい。] [0065] ここに開示するフルオロエラストマーは、既知の方法により架橋反応を受けてよい。架橋反応の具体例としては、過酸化物架橋、ポリオール架橋、アミン架橋及びトリアジン架橋が挙げられる。過酸化物架橋を組成物の生産性、耐熱性及び耐化学性の観点で使用してもよいが、他の架橋法も有用である。] [0066] 過酸化物架橋における有機過酸化物は架橋剤であり、好ましくは、例えば加熱により過酸化物ラジカルを生じさせるものである。具体的には、それは、例えば、ジ−tert−ブチルペルオキシドのようなジアルキルペルオキシド、tert−ブチルクミルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン又は2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン−3、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジヒドロキシペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(ベンゾイルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルオキシマレイン酸又はtert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネートであってよい。ジアルキルペルオキシドが特に好ましい。一般に、用いられる有機過酸化物の種類及びフルオロエラストマー組成物中の含量は、有機過酸化物の活性、分解温度等に応じて選択される。] [0067] いくつかの実施形態では、有機過酸化物の含量は、フルオロエラストマー100質量部あたり0.3〜10質量部である。いくつかの実施形態では、有機過酸化物の含量は0.3〜5質量部であり、いくつかの実施形態では、0.5〜3質量部である。バランスの取れた強度及び伸長を有する加硫ゴムの物理的特性は、この範囲内で得られる。] [0068] 代表的な架橋凝固剤としては、シアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリル、イソシアヌル酸トリアリルオリゴマー、イソシアヌル酸トリメタリル、トリアシルホルマール、トリメリット酸トリアリル、N,N’−m−フェニレンビスマレイミド、p−キノンジオキシム、p,p’−ベンゾイルキノンジオキシム、ジプロパルギルテレフタレート、ジアリルフタレート、N,N’,N’’,N’’’−テトラアリルテレフタルアミド、又はポリメチルビニルシロキサン又はポリメチルフェニルビニルシロキサンのようなビニル基含有シロキサン(cyloxane)オリゴマーが挙げられる。] [0069] いくつかの実施形態では、架橋凝固剤の含量は、0.1〜10質量部である。いくつかの実施形態では、架橋剤の含量は、フッ素化エラストマー100質量部あたり0.5〜5質量部である。バランスの取れた強度及び伸長を有する加硫ゴムの物理的特性は、この範囲内で得られる。] [0070] いくつかの実施形態では、硬化部位モノマーは、ここに開示するフルオロエラストマーの硬化に関与する。硬化部位モノマーは、部分的に又は完全にフッ素化されてよい。少なくとも1つのフルオロポリマーの少なくとも1つの硬化部位モノマーは、窒素含有基を含む。本発明の硬化部位モノマーで有用な窒素含有基の例としては、ニトリル基、イミデート基、及びアミジン基が挙げられる。本発明のフルオロエラストマー中のいくつかの好ましい硬化部位モノマーとしては、窒素含有硬化部位モノマーが挙げられる。これらとしては、窒素含有フッ素化オレフィン及び窒素含有フッ素化ビニルエーテル、例えば:CF2=CFO(CF2)LCN; CF2=CF[OCF2CF(CF3)]rO(CF2)tCN;及びCF2=CFO(CF2)uOCF(CF3)CN(式中、L=2〜12、q=0〜4、r=1〜2、y=0〜6、t=1〜4、及びu=2〜6)等である。このようなモノマーの代表的な例としては、CF2=CFO(CF2)3OCF(CF3)CN、ペルフルオロ(8−シアノ−5−メチル−3,6−ジオキサ−1−オクテン)、及びCF2=CFO(CF2)5CNが挙げられる。] [0071] より具体的には、ここに開示するフルオロエラストマーは、 (a)水性乳化重合プロセスでフルオロモノマー及び硬化部位モノマーを重合させて、フルオロエラストマーを含む水性組成物を形成することと、 (b)水性組成物を金属塩で凝固させて、凝固したフルオロポリマーを形成することと、 (c)凝固したフルオロポリマーを乾燥させることと、を含むプロセスにより得ることができ、 ここで重合プロセスは上記式(I)により表されるフッ素化乳化剤を用いて実行され、フルオロエラストマーは本質的にNH4+及びH+以外のカチオンを含まない。] [0072] プロセスは更に、(d)凝固したフルオロポリマーを硬化させること、を更に含んでよい。] [0073] ここで開示するフルオロエラストマーが架橋されるとき、着色用の色素、充填剤、強化剤等をブレンドしてよい。代表的な充填剤又は強化剤としては、カーボンブラック、酸化チタン、二酸化ケイ素、粘土、タルク、又はポリテトラフルオロエチレン、フッ化ポリビニリデン、フッ化ポリビニル、ポリクロロトリフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン/エチレンコポリマー又はテトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデンコポリマーのようなフルオロ樹脂が挙げられる。] [0074] ここで開示されるフルオロエラストマー又はフルオロエラストマー組成物を用いて、物品を形成することができる。用語「物品」は、本発明に関連して、例えば、O−リング、並びにそれから完成形状が製造される予備形成品、例えばそれからリングを切断する管のような完成物品を意味する。物品を形成するために、フルオロエラストマー又はフルオロエラストマー組成物は、スクリュー型押出成形機又はピストン押出成形機を用いて押出成形することができる。あるいは、フルオロエラストマー又はフルオロエラストマー組成物は、射出成形、トランスファー成形又は圧縮成形を用いて物品に成形され得る。圧縮成形は、ある量の冷たい未硬化エラストマー混合物を加熱した型穴に入れ、その後適切な圧力を用いて型を物品の形状に近接させることからなる。加硫を進行させるのに十分な時間の間、十分な温度でゴムを保持した後、それを次いで型から取り出してよい。射出成形は、成形技術であり、それによりエラストマー混合物はまず加熱され、押出成形機スクリュー内でどろどろにされ、次いで加熱したチャンバで収集され、それから次いで水圧ピストンを用いて中空型穴に射出される。加硫後、物品は次いで型から取り出されてよい。トランスファー成形は、射出成形と類似しているが、エラストマー混合物が予熱されず、押出成形機スクリューによってどろどろにされないが、加熱した射出チャンバに冷たい塊として導入される点で異なる。いくつかの実施形態では、成形は架橋と同時に実行される。いくつかの実施形態では、成形は架橋の前又は後に実行される。] [0075] 架橋反応は、150℃〜300℃で好ましくは実行される。架橋がこの範囲内の温度で実行されるとき、得られる物品は優れた物理的特性を有する。架橋反応は、通常比較的低温度における一次架橋(プレス硬化)及び比較的高温度における二次架橋(ポスト硬化)を組み合わせて実行される。一次架橋反応の温度は、通常好ましくは150℃〜190℃である。二次架橋反応の温度は、通常好ましくは170℃〜300℃である。] [0076] ここで開示する完成フルオロエラストマー由来の物品は、フルオロエラストマーをマイクロチップ製作設備の座で用いる場合、マイクロチップ製造プロセスのために半導体業界で有用である。ここで開示する完成フルオロエラストマーはまた、製薬業界で、低金属含量が望ましい任意の物品、例えばO−リング、急速継ぎ手シール、ガスケット等で有用である。] [0077] ここで開示するフルオロエラストマーは、ラットのスクリーニング研究により示されるように、8個以上の炭素原子を有するペルフルオロアルカン酸よりも、生体からより速やかに取り除かれる。更に、開示するフッ素化乳化剤はフッ素化モノマーの乳化重合で用いられて、フルオロエラストマー分散液を生成することができ、これらは簡単かつ便利な方法で回収することができる。それらの低い生物濃縮性のために、ここで開示するフッ素化は、これらの化合物の喪失が少量である場合、より少ない環境負荷を与える。また、分散液中のこれらのフッ素化乳化剤の量を減少させるプロセスは、例えば偶発的に、作業処置中に用いられ、続いて分散液から回収さるこれらの乳化剤に曝露されるようなプロセスの操作者にとってより有益であるに違いない。更に、ここで開示する完成フルオロエラストマー由来の物品は、8個以上の炭素原子を有するアルカン酸を含有する乳化剤で作製されるフルオロエラストマーよりも少ない環境問題を有し、他の代替乳化剤で作製されるフルオロエラストマー由来の物品よりもより低い金属含量を有する。] [0078] 本発明は更に、本発明をそれに限定することを意図しない以下の実施例を参照して例示される。] [0079] (実施例1) 試験方法 熱分解分析をICP−OESを介して550℃で実施した。 実施例で用いられるフッ素化乳化剤の金属含量は以下の通りであった:] [0080] 比較例1 無酸素条件下で、4リットルのケトルに、2900mLの脱イオン水を入れた。26グラムのC7F15COONH4(APFO)、8グラムのC44F9SO2NH4、及び2.8グラムのNH4Clを添加した。65℃に加熱した後、133グラムのテトラフルオロエテン(TFE)及び265グラムのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を添加し、5グラムのCF2=CFO(CF2)5CN(MV5CN)をプレエマルションとして添加した。50mLの脱イオン水に溶解した6グラムのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により、反応を開始させた。1400kPa(14バール)の圧力及び65℃で、641グラムのTFE、547グラムのPMVE、及び48グラムのMV5CN(プレエマルションとして)を、287分にわたって供給した。得られた分散液は、34%の固形分を有しており、9.4グラムのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。] [0081] 得られたポリマーの組成は、1.14モル%のMV5CN、34モル%のPMVE、64.86モル%のTFEであった。末端基の比は0.063(米国特許第6114452号に記載の方法によると)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は94であった。] [0082] (実施例1) 無酸素条件下で、4リットルのケトルに、2900mLの脱イオン水を入れた。20グラムのCF3−O−(CF2)3−O−CFH−CF2−COONH47グラムのC4F9SO2NH4、及び2.8グラムのNH4Clを添加した。65℃に加熱した後、150グラムのテトラフルオロエテン(TFE)及び298グラムのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)を添加し、5グラムのMV5CNを添加した。50mLの脱イオン水に溶解した5グラムのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により、反応を開始させた。1400kPa(14バール)の圧力及び65℃で、641グラムのTFE、547グラムのPMVE、及び48グラムのMV5CN(プレエマルションとして)を、287分にわたって供給した。得られた分散液は、29%の固形分を有しており、9.4gのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。得られたポリマーの組成は、1.24モル%のMV5CN、35モル%のPMVE、63.76モル%のTFEであった。末端基の比は0.084(米国特許第6114452号に記載の方法によると)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は72であった。] [0083] 比較例2 無酸素条件下で、450リットルのケトルに、369Lの脱イオン水を入れた。3.5kgのC7F15COONH4(APFO)及び517グラムのC4F9SO2NH4を添加した。72℃に加熱した後、4.4kgのテトラフルオロエテン(TFE)、15kgのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、及び130グラムのブロモトリフルオロエテン(BTFE)を添加した。778グラムのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により、反応を開始させた。その後、125グラムのNH3を添加した。1400kPa(14バール)の圧力及び72℃で、105kgのTFE、102グラムのPMVE、及び1.6kgのBTFEを、312分にわたって供給した。得られた分散液は、36%の固形分を有しており、1349グラムのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。得られたポリマーの組成は、0.6モル%のBTFE、36モル%のPMVE、63.4モル%のTFEであった。末端基の比は0.056(米国特許第6114452号に記載の方法によると)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は88であった。] [0084] (実施例2) 無酸素条件下で、40リットルのケトルに、26Lの脱イオン水を入れた。180グラムのCF3−O−(CF2)3−O−CFH−CF2−COONH4、及び46グラムのC4F9SO2NH4を添加した。72℃に加熱した後、602グラムのテトラフルオロエテン(TFE)、2kgのペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、及び150グラムのブロモトリフルオロエテン(BTFE)を添加した。70グラムのペルオキソ二硫酸アンモニウム(APS)の添加により、反応を開始させた。その後、6グラムのNH3を添加した。1400kPa(14バール)の圧力及び72℃で、7kgのTFE、6.4kgのPMVE、及び110グラムのBTFEを、270分にわたって供給した。得られた分散液は、35%の固形分を有しており、93.7グラムのMgCl2で凝固させた。ポリマーを115℃で乾燥させた。得られたポリマーの組成は、0.65モル%のBTFE、34.7モル%のPMVE、64.65モル%のTFEであった。末端基の比は0.063(米国特許第6114452号に記載の方法によると)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は87であった。 用いた方法:550℃で熱分解しICP−OESを介して分析(関連規格:EN ISO 11885E22)] [0085] 比較例3 無酸素条件下で、1200リットルのケトルに720kgの脱イオン水を入れた。1.6kgのCF3−(CF2)6−COONH4(APFO)、170gのHO−CH2SO2Na x 2H2O、及び770.4gのCH3−O−C(CH3)3を添加した。30℃に加熱した後、10.4kgのテトラフルオロエテン(TFE)、19.1kgの1,1−ジフルオロエテン(VDF)、130gのブロモトリフルオロエテン(BTFE)を添加し、50kgのペルフルオロ−3,7−ジオキサ−1−オクテン(MV31)を添加した(国際特許公開第2002060968A1号に記載)。3.5Lの脱イオン水に溶解した25gの(CH3)3−O−OH(t−BHP)の添加により反応を開始させた。950kPa(9.5バール)圧力及び30℃で、58kgのTFE、116kgのVDF、1.4kgのBTFE、210kgのMV31(プレエマルションとして)、及び61gのt−BHP(0.7重量%の脱イオン水溶液として)を217分にわたって供給した。得られた分散液は31%の固形分を有しており、MgCl2で凝固させた。ポリマーを80℃で乾燥させた。] [0086] 得られたポリマーの組成は、59モル%のVDF、21モル%のMV31、19モル%のTFE、及び0.21モル%のBTFEであった。Tgは−41℃(示差走査熱量計、DSCを用いて)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は97であった。] [0087] (実施例3) 無酸素条件下で、150リットルのケトルに84.5kgの脱イオン水を入れた。264gのCF3−O−(CF2)3−O−CFH−CF2−COONH4、20gのHO−CH2SO2Na x 2H2O及び90.4gのCH3−O−C(CH3)3を添加した。30℃に加熱した後、1300gのテトラフルオロエテン(TFE)、2350gの1,1−ジフルオロエテン(VDF)、15gのブロモトリフルオロエテン(BTFE)を添加し、4000gのペルフルオロ−3,7−ジオキサ−1−オクテン(MV31)を添加した(国際特許公開第2002060968A1号に記載)。500mLの脱イオン水に溶解した5gの(CH3)3C−O−OH(t−BHP)の添加により反応を開始させた。950kPa(9.5バール)圧力及び30℃で、7.2kgのTFE、14.1kgのVDF、158gのBTFE、25.5kgのMV31(プレエマルションとして)、及び5gのt−BHP(0.5重量%の脱イオン水溶液として)を210分にわたって供給した。得られた分散液は32%の固形分を有しており、MgCl2で凝固させた。ポリマーを80℃で乾燥させた。] 実施例 [0088] 得られたポリマーの組成は、61モル%のVDF、21モル%のMV31、18モル%のTFE、及び0.2モル%のBTFEであった。Tgは−42℃(DSCを用いて)であり、ムーニー粘度(1+10’、121℃)は104であった。]
权利要求:
請求項1 架橋性フッ素化エラストマーと、式:F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X(式中、m=0〜3であり、n=1〜5であり、o=0〜1であり、p=1〜3であり、t=1〜10であり、t=2である場合o≠0であり、更に、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤と、の水性混合物を含む、フッ素化エラストマー組成物。 請求項2 式:F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X(式中、m=0〜3であり、n=1〜3であり、o=0〜1であり、p=1〜3であり、t=1〜10であり、t=2である場合o≠0であり、更に、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤を含む乳化重合に由来するフルオロエラストマーであって、本質的にNH4+及びH+以外のカチオンを含まない、フルオロエラストマー。 請求項3 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、CF2=C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルビニルエーテル)、CF2=CF2C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルアリルエーテル)、並びにクロロトリフルオロエチレンから選択される少なくとも1種のフルオロモノマーに由来するポリマー、プロピレン及びエチレン、及び所望により硬化部位モノマーを含む、請求項1又は2に記載のフルオロエラストマー。 請求項4 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン/プロピレン、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOC3F7、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3/CF2=CFOC3F7、テトラフルオロエチレン/CF2=C(OC2F5)2、フッ化ビニリデン/CF2=CFOC3F7、エチレン/ヘキサフルオロプロピレン、及びそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するようなコポリマーから選択される少なくとも1種のコポリマー由来のポリマーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のフルオロエラストマー。 請求項5 (a)水性乳化重合プロセスでフルオロモノマー及び硬化部位モノマーを重合させて、フルオロエラストマーを含む水性組成物を形成する工程と、(b)前記水性組成物を金属塩で凝固させて、凝固したフルオロポリマーを形成する工程と、(c)前記凝固したフルオロポリマーを乾燥させる工程と、を含む方法により得られるフルオロエラストマーであって、前記重合方法が、式:F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X(式中、m=0〜3であり、n=1〜3であり、o=0〜1であり、p=1〜3であり、t=1〜10であり、t=2である場合o≠0であり、更に、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤を用いて実行され、本質的にNH4+及びH+以外のカチオンを含まない、フルオロエラストマー。 請求項6 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、CF2=C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルビニルエーテル)、CF2=CF2C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルアリルエーテル)、並びにクロロトリフルオロエチレンから選択される少なくとも1種のコポリマー由来のポリマー、プロピレン及びエチレン、及び所望により硬化部位モノマーである、請求項7又は8に記載のフルオロエラストマー。 請求項7 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン/プロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンコポリマー、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=C(OC2F5)2コポリマー、フッ化ビニリデン/CF2=CFOC3F7コポリマー、エチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、及びそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するようなコポリマー、から選択される少なくとも1種のコポリマー由来のポリマーである、請求項5に記載のフルオロエラストマー。 請求項8 式:F−(CF2)t−[O(CY1Y2)]m−O−(CY3Y4)−X(式中、CY1Y2は1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化又は部分的にフッ素化された直鎖アルキレンを表し、CY3Y4は1〜4個の炭素原子を有するペルフルオロ化、部分的にフッ素化された、又はフッ素化されていない直鎖アルキレンを表し、tは1〜10であり、mは0〜3であり、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤を含むエマルションに由来するフルオロエラストマーから調製される物品であって、前記フルオロエラストマーが本質的にNH4+及びH+以外のカチオンを含まない、物品。 請求項9 式:F−(CF2)t−[O(CF2)n]m−O−(CHF)o−(CF2)p−X(式中、m=0〜3であり、n=1〜3であり、o=0〜1であり、p=1〜3であり、t=1〜10であり、t=2である場合o≠0であり、更に、Xはカルボン酸基及びカルボン酸基の塩からなる群から選択される)により表されるフッ素化乳化剤を含むエマルションに由来するフルオロエラストマーから調製される、請求項8に記載の物品。 請求項10 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、CF2=C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルビニルエーテル)、CF2=CF2C(ORf)nF2−n(式中、RfはC1〜C9ペルフルオロアルキル基又は1つ以上のエーテル結合を含有するペルフルオロ(アルコキシアルキル)基であり、nは1又は2の整数であり、それぞれの炭素鎖は直鎖であっても分枝鎖を含有してもよく、又は環状構造を有してもよい)により表されるペルフルオロ(アルキル又はアルコキシアルキルアリルエーテル)、並びにクロロトリフルオロエチレンから選択される少なくとも1種のフルオロモノマーのポリマー、プロピレン及びエチレン、及び所望により硬化部位モノマーを含む、請求項8又は9に記載の物品。 請求項11 前記フルオロエラストマーが、テトラフルオロエチレン/プロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/プロピレン/フッ化ビニリデンコポリマー、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=CFOCF3/CF2=CFOC3F7コポリマー、テトラフルオロエチレン/CF2=C(OC2F5)2コポリマー、フッ化ビニリデン/CF2=CFOC3F7コポリマー、エチレン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、エチレン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン/クロロトリフルオロエチレンコポリマー、及びそれらと更に共重合される硬化部位モノマーを有するようなコポリマー、から選択される少なくとも1種のコポリマーに由来するポリマーである、請求項10に記載の物品。 請求項12 前記フルオロエラストマーが、1分あたり10℃の加熱速度、転移の変曲点を用いる加熱モードで示差走査熱量計により測定するとき、−10℃未満のガラス転移温度を有する、請求項8〜11のいずれか一項に記載の物品。
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Process for preparation of 7 alpha-carboxyl 9, 11-epoxy steroids and intermediates useful therein an
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